PR
スポンサーリンク

父の背中、母の声が響くバス通り

父の背中、母の声が響くバス通り
学校の身体検査の前の日、友達と銭湯へ行くこともあったが、そこへ至るまでの街並みには、いつも親の姿が重なっていた。
バス通り沿いの商店街は、生活の匂いに満ちていた。

文房具店では、母と一緒にノートを選んだ記憶がある。
「大事に使いなさい」と言われた言葉は、今も耳に残っている。
豆腐屋では、父が黙って一丁だけ買い、夕飯の食卓に並んだ。

バスが通るたびに道路が揺れ、その振動の中で父は淡々と歩いていた。
多くを語らない人だったが、その背中は街と同じように、どっしりとしていた。
母は近所の人と立ち話をしながらも、私の帰りが遅くなると心配していた。

昭和の街は、人の暮らしがそのまま外に出ていた。親の姿もまた、街の一部だったのだと思う。

明るい気持ちになる言葉
親の姿は、何気ない風景の中に刻まれている。

タイトルとURLをコピーしました