
大晦日には、自然と手を合わせたくなる瞬間がある。
神棚の前に立つと、時間がゆっくりと流れ始めるように感じる。
父が担っていたその役目を思い出しながら、今年一年を静かに振り返る。
良かったことも、そうでなかったことも、すべてがこの一年を形作っている。
思うようにいかない日があったからこそ、何気ない一日が尊く感じられた。
立ち止まることを覚えた一年でもあった。
乗り越えた、と胸を張れるほど立派なことではないかもしれない。
それでも、投げ出さずに今日まで来た。
その事実だけで、十分だと思えるようになったのは、この一年の大きな収穫だ。
神棚の前で手を合わせると、不思議と心が整う。
「ありがとうございました」と心の中で唱えるだけで、肩の力が抜けていく。
新しい年に何を願うかよりも、今ここにあるものを大切にしたいと思う。
来年もまた、思い通りにいかないことはあるだろう。
それでも、今日のように静かに振り返る時間を持てるなら、きっと大丈夫だ。
感謝は、次の一歩を照らす灯りになる。
明るい気持ちになる言葉:
感謝を言葉にすると、心は自然と前を向く

