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動けない時間の中で、心だけが歩いていく

動けない時間の中で、心だけが歩いていく
昼に近づくにつれ、部屋の中の光の色が少しずつ変わっていく。
朝の淡い白から、ほんのりと温度を感じる明るさへ。

その変化を眺めながら、時間が確かに流れていることを、静かに受け止めていた。
身体は変わらず、外へは出られない。

それでも、心は少しずつ別の場所へ歩いているような感覚があった。

昼食をとりながら、ふと今年一年のことを考える。
思い描いていた一年とは違う形になった部分が多い。

それを思うと、胸の奥に小さな痛みが生まれる。
もっとできたのではないか、違う選択があったのではないか、そんな問いが自然と浮かんでくる。

けれど同時に、ここまで来た自分を思い出す。
迷いながら、立ち止まりながら、それでも今日まで時間を重ねてきた。
その事実は、どんな後悔よりも確かな重さを持っている。

テレビから流れる年末の買い物風景を見ていると、外の世界は相変わらず忙しそうだ。
正月用品を抱えた人たちの表情は、疲れていながらも、どこか楽しそうに見える。

その姿を見て、自分がその輪の中にいないことを改めて実感するが、不思議と強い孤独感は湧かなかった。

今は、外へ行く時ではない。
ただ、それだけのことなのだと思える。
無理に前に出なくても、時間はちゃんと自分のところにも届いている。

動けない時間は、ときに心を内側へと深く沈める。
その沈み込みの中で、自分が何を大切にしたいのかが、少しずつ輪郭を持ちはじめている気がする。昼の静けさの中で、そんな小さな変化を感じ取っていた。

明るい気持ちになる言葉
立ち止まる時間も、心を育てる大切な道のり。

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