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早朝の静けさと、コロの面影

早朝の静けさと、コロの面影
今日の目覚めは5時30分。
まだ外は薄暗く、家の中も静まり返っている時間だったが、

昨夜は深く眠れたようで、目を開けた瞬間から頭が冴えているのを感じた。

布団の中で少しだけ身体を伸ばし、天井を見つめながら、こうして穏やかに朝を迎えられること自体がありがたいことだと思う。

若いころは、眠りが浅くても勢いで起きられたが、今は「気持ちよく眠れた」という感覚そのものが、朝の質を大きく左右する。

早起きが身についたのは、小学高学年のころ、叔父の新聞配達を手伝っていた経験が大きい。

朝刊も夕刊も任され、眠い目をこすりながら自転車をこいだ日々は、決して楽ではなかったが、今振り返ると、生活の土台をつくってくれた大切な時間だったと思う。

とりわけ忘れられないのが、ある冬の夕方、新聞配達を終えて帰る途中の出来事だ。

小雪が舞い、吐く息が白くなるような寒い日だった。

電柱の根元に目をやると、針金で繋がれたアラスカ犬の雑種らしい子犬が、小さく震えながらこちらを見ていた。

どこかの家の犬なのだろうかと一瞬考えたが、その姿がどうしても放っておけず、針金をほどいてやると、子犬は迷いなく私の後をついてきた。

小さな足で必死に追いかけてくる様子が胸に残り、結局二十分ほど一緒に歩いただろうか。

一度家に帰り、夕飯を済ませて落ち着いたころ、裏のゴミ置き場から物音がした。

嫌な予感がして外に出ると、そこにいたのは、あの子犬だった。
これも何かの縁だと思い、両親に事情を話すと、家族で話し合い、迎え入れることになった。

妹と弟tで名前を「コロ」と決めた日のことは、今でもはっきり覚えている。

コロは、ただのペットではなく、友達であり、家族そのものだった。

朝の静けさの中で、そんな昔の記憶がふとよみがえり、胸の奥がじんわりと温かくなった。

明るい気持ちになる言葉
静かな朝は、心の奥にある大切な記憶を、そっと思い出させてくれる。

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