
テレビもまた、子どもたちに多くの夢を与えてくれた。
月光仮面、隠密剣士、快傑ハリマオー、ジャガーの眼。
どれも子ども向けでありながら、しっかりとした物語があり、善と悪の構図がはっきりと描かれていた。
アニメでは、私は8マンが特に好きだった。
後に、その原作者が平井和正さんだと知り、SF小説家としての作品に出会うことになる。
そこからは、まるで導かれるようにウルフガイシリーズ、幻魔大戦、犬神明シリーズと、次々に読み漁った。
不思議なもので、一本のアニメが、一人の作家との長い付き合いへとつながっていく。
作品を通じて描かれる人間の弱さや強さ、善悪の曖昧さ。
それらに触れながら、私は少しずつ大人になっていったのだと思う。
漫画や小説は、ただの娯楽ではなかった。
人生の節目節目で、考えるきっかけを与えてくれる、静かな教師のような存在だった。
今日の朝、三日月を見上げながら、そんな遠い日の読書の記憶が胸に温かく灯った。
明るい気持ちになる言葉:
「物語は、いつまでも心の中で生き続ける」
