塩漬けと砂糖漬けの保存法

水分を溶出させて保存する

塩漬けとは、食品に塩を添加することによって浸透圧を高め、食品の水分を溶出させて微生物の増殖を抑える保存法。

 

一般に食塩濃度が10%以上になると細菌が繁殖しにくくなり、15%以上になると多くの微生物は増殖できなくなります。

 

これは塩が食品中のたんぱく質を脱水凝固させるとき、同じにたんぱく質が主体である微生物も脱水凝固させてしまうからです。

 

主な塩漬けとして、白菜漬け、野沢菜漬け、しば漬けなど、漬ける期間と塩分濃度により、即席漬け(一夜漬け)、当座漬け、保存漬けに分けられます。

 

塩漬けの方法には、食品に直接振りかける振り塩漬けと、濃度の高い食塩水に食品を浸け込む立て塩漬けとがあります。

 

塩の働きで水分が溶出するため、旨味成分が凝縮され、たんぱく質が凝固して肉や魚の身を引き締めます。

 

野菜類は、塩が細胞間の結合力を高めることで、独自の歯切れのよさが生まれます。

 

保存期間が長期になると、乳酸菌などの有用な菌が繁殖し始め、独自の旨味成分を生じるようになります。

 

砂糖漬けも原理は塩漬けと同様で、砂糖を食品に浸透させることにより、保存性を高める方法。

 

食品中の砂糖濃度が65%以上になると、大部分の微生物の増殖が抑えられます。

 

砂糖漬けは主に、果実の保存に用いられる方法で、欧米では古くからジャム、シロップ漬けが作られ、日本ではあんずやゆずなどの砂糖漬けがあります。

食品がなぜ長持ちするの

食材を塩(食塩水)、砂糖などに漬けると、周囲と食材で水分量に差がでます。

 

水分量を一定にしようとする力(浸透圧)が働き、食材の水分が溶出するとき、微生物の水分も溶出し死んでしまう。

 

食塩濃度10%以上は、細胞が増殖しにくくなる。
食塩濃度15%以上は、ほとんどの微生物が増殖しにくくなる。

砂糖濃度65%以上は、ほとんどの微生物が増殖しにくくなる。

酸による保存

酸性度を高めて保存する

酢漬けは、食品を酢につけることによって、食品の酸性度を高めて(pHを下げて)保存する方法。

 

細菌、酵母、カビなどの微生物が生育できるpHの範囲は決まっていて、pHが4.0以下になると微生物の増殖が抑えられます。

 

酢に含まれている酢酸は、有機酸の中でも得に強い抗酸性があるため保存性も高くなります。

 

酢漬けをするときは、最初に塩を振り脱水させておくため、塩と酢が互いに働き合い塩味や酸味をまろやかにし、おいしさを作ります。

 

一方、乳酸発酵は、乳酸菌という微生物を使って腐敗菌の増殖を抑え、食品を保存する方法で、酢漬けと同様、食品のpHを4.0以下に抑えることで保存が可能になります。

 

ヨーグルトは、牛乳に乳酸菌を加えて、保存性を高めたもので、ケフィアやチーズもこの仲間。ケフィアは牛乳に乳酸菌や酵母を用いてアルコール発酵をさせたもの。

 

チーズは乳酸発酵させたものを凝固し、熟成させたもの。
乳酸菌の持つさわやかな酸味が加わることで、おいしさが向上する。

 

乳酸発酵には、もうひとつ、塩によって保存された漬物が、自然に発酵して乳酸菌を生じるという場合があります。

 

ぬかみそ漬け、かす漬けといった漬物などがこれにあたり、もともと塩の働きを利用した保存方法なのですが、長期保存によって発酵し、乳酸菌が生じてきます。

 

塩分の浸透によって生み出された旨味に、乳酸菌独自の酸味や風味が加わるので、さらにおいしさが増します。

 

細菌やカビなどの微生物は、酸性度が高くなると生きていけない。

 

乳酸発酵は、乳酸が出す乳酸菌によって、他の微生物(カビなど)が繁殖しない条件を作り出し、保存だけだなく発酵で作り出される旨味、香りも利用します。

 

酵素、微生物による分解は、温度などの環境条件によって左右される(気温が高いところでは難しい)。

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